電子カルテ標準要件ガイド
標準仕様ドキュメント

このサイトについて

電子カルテとは

患者の診療記録(カルテ)を電子的に作成・管理するシステムです。 紙のカルテに代わり、診療情報を安全かつ効率的に扱えるようにします。

レセコンとは

レセプトコンピュータの略称で、診療報酬を計算し、 保険者へ請求するためのシステムです。医療機関の経営を支えます。

なぜ標準化?

医療DX推進のため、国が電子カルテやレセコンの基本要件を定めました。 標準化により、システム間の連携やデータ移行がスムーズになります。

医療DXの歩み ― なぜ今、電子カルテの標準化なのか

2020年以降、日本の医療DX政策は急速に進展しています。 オンライン資格確認の義務化から電子処方箋の運用開始、そして2030年の電子カルテ普及率100%目標へ。 その流れの中で「電子カルテ標準仕様書」が果たす役割を解説します。

2020

データヘルス改革の始動

閣議決定により電子処方箋の全国運用が方針化。「新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プラン」を策定し、オンライン資格確認等の既存インフラを活用した医療情報基盤の構築を開始。

2021

オンライン資格確認 運用開始

マイナンバーカードを使った保険資格のオンライン確認が本格稼働。同時に特定健診情報や薬剤情報の閲覧も開始し、医療機関と保険者をつなぐデジタル基盤が動き出す。

2022

医療DX推進本部 設立

「経済財政運営と改革の基本方針2022」の閣議決定を受け、内閣総理大臣を本部長とする医療DX推進本部を設置。「全国医療情報プラットフォームの創設」「電子カルテ情報の標準化」「診療報酬改定DX」の3本柱を掲げる。

2023

電子処方箋 運用開始 / オンライン資格確認 義務化

1月に電子処方箋管理サービスが運用開始(まず院外処方箋から)。4月にはオンライン資格確認が保険医療機関・薬局に原則義務化。6月には「医療DXの推進に関する工程表」が決定され、2030年までの電子カルテ普及目標が明確化。

2024

電子処方箋の機能拡充 / 健康保険証の新規発行停止

電子処方箋にリフィル処方箋対応や調剤済み処方箋の保存機能を追加。12月には健康保険証の新規発行が停止され、マイナ保険証への移行が加速。医療DX推進体制整備加算が新設され、電子カルテ導入のインセンティブが強化。

2025

標準仕様の策定方針決定 / 電子カルテ普及率100%を法定化

7月、「医療DX令和ビジョン2030」推進チームが電子カルテの標準仕様策定方針を提示。12月、医療法等の一部改正法が公布され「2030年12月31日までに電子カルテ普及率約100%」が法的義務に。健康保険証も完全廃止。

2026

電子カルテ標準仕様書(基本要件)発出

診療所向け・中小病院向けの標準仕様書が策定。クラウドネイティブ・SaaS型・マルチテナントを基本とし、標準APIによる医療DXサービス群との連携、価格の公開、データ移行の互換性確保を要件化。本サイトはこの仕様書を解説しています。

電子カルテ普及率100%への道

現状と課題

大病院(400床以上)では普及率90%超ですが、中小病院は約50%、診療所も約50%にとどまっています。

普及が遅れている主な理由:

  • オンプレミス型のカスタマイズによる高コスト
  • ベンダーロックインで他社比較が困難
  • 価格の不透明さ
  • システム間のデータ移行が困難

2030年目標(法定)

2025年12月に公布された医療法等の一部改正法により、2030年12月31日までに電子カルテ普及率が約100%になることが法的に義務づけられました。

達成に向けた施策:

  • 標準仕様書による最低品質水準の確立
  • SaaS型クラウドによるコスト削減
  • 診療報酬上の導入インセンティブ(加算)
  • IT導入補助金による財政支援

電子カルテ標準仕様書が果たす役割

本サイトで解説している標準仕様書は、電子カルテ普及率100%を達成するための中核的な仕組みです。 従来のオンプレミス型からクラウドネイティブ型への転換を促し、医療IT市場全体の構造改革を目指しています。

クラウドネイティブ化

マルチテナントのSaaS型を基本とし、カスタマイズを廃止。 院内サーバーの管理負担をなくし、「所有」から「共同利用」へ転換します。

標準APIによる連携

電子処方箋、オンライン資格確認、電子カルテ情報共有サービスなどの 医療DXサービス群と標準APIで接続。HL7 FHIRベースの情報交換を実現します。

市場の透明性確保

価格の公開を義務化し、データ移行の互換性を確保。 ベンダーロックインを解消し、医療機関が自由にシステムを選択・移行できるようにします。

項目従来の電子カルテ標準型電子カルテ
提供形態オンプレミス型が主流クラウドネイティブ(SaaS)
テナント構成シングルテナントマルチテナント(共通ソースコード)
カスタマイズ医療機関ごとに個別対応原則不可(標準パッケージ提供)
システム連携ベンダー独自規格標準API(HL7 FHIR等)
価格不透明(見積もりベース)公開義務あり
セキュリティ医療機関側の負担大ISMAP/ISMS認証必須
可用性保証なしの場合も稼働率99.9%以上を必須化
データ移行困難(ベンダーロックイン)互換性確保を要件化

8

基準文書

9

セクション

134

用語数

30

コンテンツページ

コンテンツ一覧

要件の分類

標準仕様書の各要件は、以下の4種類に分類されています。

遵守

適合が必須の要件。システムが必ず満たさなければならない項目です。

推奨

適合が望ましい要件。対応することが推奨されている項目です。

不可

行ってはならない事項。禁止されている実装や運用方法です。

参考

参考情報。必須ではありませんが、理解を深めるための補足情報です。

基準文書一覧

文書名
医科診療所向け電子カルテ標準仕様書(基本要件)【第1.0版】
中小病院向け電子カルテ標準仕様書(基本要件)【第1.0版】
医科診療所向けレセプトコンピュータ標準仕様書(基本要件)【第1.0版】
中小病院向けレセプトコンピュータ標準仕様書(基本要件)【第1.0版】
電子処方箋管理サービスの導入に関するシステムベンダ向け技術解説書【医療機関・薬局】
オンライン資格確認等システムの導入に関するシステムベンダ向け技術解説書【医療機関・薬局】
主治医意見書/請求書 電送サービスの導入に関するシステムベンダ向け技術解説書
ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック